【書評】美達大和・新潮文庫「人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白」

書評

「殺人」という大罪は償えるのか。人を二人殺めた著者は今、罪が重く刑期が十年以上の者が収容される「LB級刑務所」に無期懲役囚として服役している。十数年にわたる服役期間に自分の行為を反芻し、贖罪とは何か、人の命を奪った身でどのように残りの人生を「生きる」べきかを考え続けてきた。自身の半生と罪の意識、反省の欠片もない周囲の服役囚について考察した驚愕の獄中記。

https://www.shinchosha.co.jp/book/135861/

この本は何度か読んでいて、過去に書評も書いた事もあるんですがまた書き直します。

ものすごいタイトルに反して、悪い言い方をすれば殺人で服役している受刑者の観察記と、「当職は反省できる受刑者だ。お前らとは違う。」という主張が暗ににじみ出た著者の自分語りで構成されています。

本の最後の方で著者は被害者の立場を取り入れた教育をもっと取り入れるべきだと主張しています。
これ自体は別に良いのですが、残された加害者自身の身内についての視点がまるっと無いのです。
例として著者には息子と殺人に加担した共犯者がいますが、彼らについて著者は存在について軽く語るだけで、「遺族の心を考え」て子供については連絡はしないし、これからも取らない・考えぬようにしていると著述しています。

私から言わせれば自己満足です、としか言えないです。

子供がどういう気持ちか知らないで、遺族や贖罪がどうこうと抜かして逃げているようにしか見えませんでした。
刑務所から出ないと著者は決めているそうですが、私からすれば先述の子供や共犯者の事を考えればこれも逃げでしかありません。

被害者だけでなく、巻き込んでしまった彼らにも思いを馳せ、刑務所の外に出てできる限り行動していくべきなのです。

今は紹介はしませんが、他に気になった点として著者は代理人を通じてTwitterやNoteで発信をしているという点です。
獄中にいて外部に発信をする受刑者はいますが、これは自己顕示欲が強いというか、それなら仮釈放で外に出られることを目指して頑張りつつ発信したら?と思いました。

刑務所の外に出ないとしつつ、しきりに外部に発信をしたがるなんてどこかが矛盾しているなと思います。

個人的に刑務所ものとしてはホリエモンの「刑務所なう」「刑務所わず」の方が著者の人間性としての歪みは無くていいと思います。

それ位美達大和という著者であり、受刑者である人はおかしいと思いました。

今回はここまでにしておいて、機会があればこの方の著書についてまた語りたいと思います。

~終わり~

ご精読ありがとうございました
良かったら短縮URLサービスやIPチェックサービス等も使ってくださると嬉しいです。
同人誌等の出版や、MisskeyサーバーPixiv Fanboxの運用もしているので良ければ見ていってください。
各種サービス維持の為に寄付を受け付けています
書評
スポンサーリンク
シェアする
Administratorをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました