国家に親代わりを求めた男。
法廷で無期懲役に万歳三唱をし、殺人犯なのに刑務所で生存権を主張し続ける犯人・小島一朗。
誰も踏み込まなかったその内面に、異端の写真家が迫る。全真相解明、驚愕の事件ルポ！犯人はいったい何者なのか？
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【新幹線無差別殺傷事件】
2018年6月9日、走行中の東海道新幹線の車内で男女3人が襲われ、2名が重軽傷、男性が死亡した。「刑務所に入りたい」という動機だったため、一審で無期懲役となった際に小島一朗は法廷で万歳三唱をした。控訴せず20年1月に刑が確定。小島は刑務所内で生存権を主張し続けている。
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2008年以降の無差別殺人事件の犯人は前科前歴なし、両親は揃っており、貧困家庭でもなく友人関係に問題もない、「普通」の者が多い。
だが、「死刑になるため」「刑務所に入るため」と彼らは犯行に及ぶ。
約3年にわたる取材で理解不能な動機、思考を浮き彫りにする驚愕のルポ！
読みました。
一言で言えば（興味深いという意味で）面白かったです。
ここからは感想とか書評とか。
人の言葉の裏の心情とかが読めないだけでなく（多分これは重度の障害だと思う）、加えて恵まれない家庭環境で育つと凶悪殺人者が生まれてしまうのかと思いました。
子供と断絶している父親に（事件を起こした後ですら）ボランティアで家庭を顧みない母親、そして殺人を犯した「彼」の育ての親となった祖母の愛情を独占したいと彼に嫉妬する叔父・・・彼の周囲の人物がろくでもなさすぎてそりゃ人格が歪むわと納得しました。
小さい時に安心できる親やその代わりがいないと安定した人格を持つのは難しいんでしょうね。
この点に関しては彼に同情します。
それで彼自身について私から意見を述べると「重度のアスペだろこいつ」と本を読み終えてすぐに思いました。
裁判の際の検査だと「そうではなかった」と彼本人は述べていますが、私から言わせれば言葉や法律を重視しすぎる所とかが思いっきり当てはまっているようにしか見えなかったです。
私の知っている方にもそういう人がいましたので。
また彼は言語理解が126である事をアピールしていますが（言語理解146の人もいるので彼らと比べると実の所大した事ないのですが）、そうした言語関係の能力が突出している所もアスペルガー症候群なのかなと思いました。まぁ偏見ですが。
ロボットのような人物だと読む前は思っていましたが、食べ物の話や女性関係の話が出てくると彼も人間なのだなと安心し、また愕然としました。
彼と我々を隔てる壁って意外と薄いのかもしれません。
～終わり～
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