「俺たちは生き抜いてやる!」親と社会に棄てられた少年たち。金も家もない彼らが、少年院で出会った仲間と選んだのは、犯罪だった。強盗、詐欺、闇金、デリヘル斡旋。大金を得ても満たされない「居場所」を求める心。地縁も血縁もなく、社会の被害者である少年たちは、なぜ犯罪者になるのか、そして孤独の中で何を思うのか。人気漫画「ギャングース」原案、少年犯罪のリアルを抉り出す、衝撃のルポルタージュ!
『ギャングース・ファイル 家のない少年たち』(鈴木 大介):講談社文庫 製品詳細 講談社BOOK倶楽部「俺たちは生き抜いてやる!」親と社会に棄てられた少年たち。金も家もない彼らが、少年院で出会った仲間と選んだのは、犯罪だった。強盗、詐欺、闇金、デリヘル斡旋。大金を得ても満たされない「居場所」を求める心。地縁も血縁もなく、社会の被害者である少...
最近、闇バイトの話がネット上でよく見られるようになったのでこの本の少年たちを思い出しました。
著者は監修としてそれを漫画化や映画化もしているそうです。
こちらの方は私はまだ読んだり観たりはしていません。
この本の話は10年~15年以上前の話ですが、当時でも詐欺や違法賭博に強盗といった犯罪を行う方々がいるというのは変わっていないのですが、この本を読む限り当時は高収入の謳い文句と匿名化アプリで集めた使い捨ての下っ端でなく、彼らは自力で犯罪行為をやっていたようです。
この本でメインとなる少年たちは幼少時よりまともな療育を受けておらず、利用され奪われて育った故に犯罪の道を突き進む事になるのですが、今まで搾取されてきて育った故に非常にシビアな感性を持っています。
だからどこの反社にも属さず(関わりがあるとしても在日外国人の組織とかとあくまで協力し合う程度)、被害届を出せないという点において狙いやすい同じ反社を主に狙うという方針で活動していました(過去形なのは理由があります。本書を読んでください)
だからと言って彼らは正義でも悪の敵でもなく、一般の方も狙うしリーダーは被害者意識をこじらせて女性を殴るような奴なので紛れもない悪党なのですが、このような環境で真っ当に生きられる者がどれだけいるかと考えると思う所が多々あります。
それで最初の話に戻りますが、今の闇バイトに手を染めた方々と彼らを比較すると、搾取されたり利用されたりする危機感とかが少なくて、未来を見る想像力といった何かが悪党である少年たちよりも欠けている気がします。
著者によるとこの本の少年たちはまだ最底辺ではないようで、「刑事警察の管轄ではなく福祉の領域」と言われるような方々がいるそうなので、今の闇バイトで使い捨てにされるような方々もそんな感じなのかなと思いました。
こうなってくると被害者と加害者、障害者と犯罪者の境界って「犯罪行為をしたかどうか」以外にはないんじゃないかなと思えてきました。
~終わり~
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